最初に着手したのは、作業の平準化。もちろんコンビニってマニュアル商売な部分はあるし、いろんなところがシステム化されてるんだけど、必ずしも そうなってない部分もある。接客用語から挨拶のタイミングからなにからを、厳密にマニュアル化する。本部のマニュアルを使うのがまあ手間かからないんだろ うけど、そこはお客さんに合わせて発達してきた部分があるんで、店独自の解釈というのも含めて考える。うちはもともとこのへんはかなりできてたほうなんだ けど、確認の意味も含めて徹底的にやる。
なぜ平準化するかというと、これができてないと、次のステップでいろいろめんどくさいことになるから。
次に権限の委譲ってことになるわけだけど、これたぶん、段階的にやってもうまくいかない。よく本部がいろんなオーナーに見せるサクセスス トーリーなんかだと「発注を任せたことでアルバイトの意識が変わった」とかあるんだけど、俺、たぶん任せるのここじゃないと思う。
じゃあなにかっていうと、新人教育だ。
もっともこれには、うちの店特有の事情がある。っていうのは、うちは初日の説明大会なんかも含めて、OJTに至るまですべて俺が直接やって た。たぶんこれ、コンビニみたいな商売だと例外もいいところ。最低でも2週間、ふつうで1ヵ月はほぼ俺がつきっきりで教える。よく5年もこれやったなーと 思う。
で、新人を教育させるにあたって、教える内容が人ごとにばらつきがあるのは絶対にやばい。なにがやばいって、派閥ができる。つまりAさんと Bさんの言うことが違うと、その下で学んでる人間がどっちを信じていいかわからん、ということになって、そんで、ほっとくと、どっちを信じるかの尺度につ いて、内容の正しさではなく人間関係の力学を適用するようになる。細かい部分まで方針が一致してれば、まったくそういうことがなくなるというわけではない けれど、起きにくくはなる。なお、アルバイトに新人研修を任せるにあたって、いちばん有効な方法は「もう一度既存のアルバイト全員に、新人研修相当のこと をやってやる」なのだが、さすがにこれは時間的に無理だった。要所を押さえて説明するくらいがせいぜい。
もともと俺は、この組織における派閥化みたいなやつに過剰なくらい神経質で、それがいやなあまりに、決定権のすべてを自分の手に握ってたっ ていうのがある。逆にいえば決定権をアルバイトに持たせなければ、派閥化っていうのは発生しない。ここは自信もって言える。